循環型産業の可能性

10.命ど宝

2011年5月19日 :琉球新報寄稿

s_oosirosensei 東日本大震災に遭遇して大切な命を失われた方々のご冥福をお祈り申し上げます。

また、地震と津波および原発の事故により、苦しい避難生活を強いられている方々にも心からお見舞いを申し上げます。一日も早い復興を願っております。

大量生産、大量消費という戦後日本の社会システムを支えた国策としてのエネルギー、食料、安全保障には国民の命よりも国や企業の利益を優先する底流が共通項として存在しているように見受けられる。

エネルギー政策の根幹をなす原子力の利用は、一度の事故で多くの国民の生活基盤を破壊し、長期にわたって人命を脅かす結果を招いている。

日本の安全保障に関わる米軍基地は、沖縄県に集中的に配置して騒音や事故など沖縄に住む国民の命を危険にさらしながら、日本とアメリカの国益を優先させている。

疑問を持たざるを得ない食料政策として、ミネラル代謝を狂わせ、生理的に重大な影響を及ぼす塩化ナトリウム純度99・5%の精製塩の製造販売体制と食の「安全・安心」と「環境保全」に悪い影響を及ぼす化学肥料と農薬を中心とする食料生産体制がある。

東日本大震災は、これらの国民の命を脅かす政策の限界を露呈させ、新しい社会システムへの転換が求められていることを示している。

沖縄県においては、長い苦難の歴史体験から人間が生きていく上で最も大切なものは「命」であることを表す「命ど宝」という言葉が日常的に使われている。この歴史的な転換点に臨み、本県の為政者の皆さんが「命よりも利益を優先する」国策の見直しにつながる「利益よりも命を優先する」政策を立案して、本県の持つ優位性を生かしたあらゆる生命体が息づく循環型の新しい社会システムを創出することができると、精神的にも経済的にも豊かな沖縄県になるものと期待している。

(大城喜信(おおしろきしん)、農業コンサルタント)

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