循環型産業の可能性

11.北部振興の新基軸

2011年6月17日 :琉球新報寄稿

s_oosirosensei 沖縄本島北部は不良土壌、急傾斜地形、市場遠隔性という多くの不利な制約条件の下で、力強い産業が育たず過疎地域となっている。

北部振興は本地域のみならず、全県的な見地からもきわめて重要な課題である。

北部振興については、これまで多くの対策が実施されてきた。中南部に豊富に埋蔵されている未利用のクチャを活用した国頭マージの改良による農業振興もその対策の一つである。

1979年度からこの技術による国頭マージの改良事業が大規模に実施された結果、農業生産額は飛躍的に増加し、花卉(かき)類だけでも約1千億円の増加が見込まれている。

しかしながら、目に見える形での北部振興は実現していないのが現状である。

北部振興は、このような単発的な対策では不可能であるといえる。可能性のある対策は、地域にある豊富な資源や新技術を活用し、根本的・長期的・総合的な視点に立脚した多くの新事業を組織的に実施する連立方程式的な取り組みである。

活用できる資源や新技術には以下のものがある。

(1)国頭マージ 作物の多様化による高付加価値農業の創出。

(2)無農薬・有機農業技術 新商品開発に資する原料およびアジアの巨大市場進出のためのパスポート。

(3)関連企業のノウハウと高度技術 商品の高付加価値化。

(4)森林 林業・有機農業・漁業・製造業・観光産業などの素材供給源。

(5)海 海産物および自然海水塩の生産。

(6)風力・太陽光・有機物 再生可能エネルギー源。

北部地域は、今後の産業振興に不可欠な資源の宝庫である。足もとにある資源を十分に活用することを北部振興の新基軸として消費者ニーズに見合う商品群を供給できる新しい産業構造を北部全域で築き上げることが北部振興の鍵である。私は、よんき産業研究会の立場から、この鍵づくりに参加したいと考えている。

(大城喜信(おおしろきしん)、農業コンサルタント)

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