循環型産業の可能性

3.キューバの有機農業

2011年2月8日:琉球新報寄稿

s_oosirosensei これまで2回にわたって有機農業について触れてきた。

今回は、最近入手したキューバの有機農業のリポートから得た情報に基づいて、有機農業の先進国として注目されているキューバの有機農業について触れてみたい。

1991年のソ連崩壊によって食糧の輸入が閉鎖されたキューバは、深刻な食糧危機に直面した。

この危機を打開するために、フィデル・カストロ議長が決断し、実行したことは、化学肥料を使う農業から有機物を使う無農薬・有機農業への転換である。

カストロの揺るぎないリーダーシップの下で、政治家、行政担当者、農業研究者、農業関係者など官民が総力を結集して技術開発や制度改革に取り組み、食糧危機からの脱出に成功したことが報告されている。

政府は、未利用の土地を農業を始める人に無償で貸し出した。

農業研究所は、厚さ20センチの土でアスファルトやコンクリートの上でも野菜の栽培ができる新しい技術や生ごみと牛糞(ふん)を原料とするミミズ堆肥(たいひ)の開発、さらに微生物や植物を活用した天然防虫剤のほか、多くの新技術や新商品を開発して無農薬・有機農業を確立するための基礎条件を整備した。

新しく農業を始める失業者や定年退職者あるいは家庭の主婦に対する技術の指導は、訓練された専門家の集団が運営する独立採算制の組織が担い、農業資材の販売と技術指導によって多くの新規農業者を育成した。

ハバナ市の青果市場や農場に隣接した直売所でも農家が販売できるように流通機構も整備されたので、農家の収入も増加した。今では、農業が魅力的な職業として認知され大学教授から農業に転職する事例も紹介されている。

私は、機会があれば、キューバを訪問して沖縄よりも気温の高い所で成功している無農薬・有機農業の取り組みについて学びたいと考えている。

(大城喜信(おおしろきしん)、農業コンサルタント)

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