循環型産業の可能性

7.有機農業実践講座の開設

2011年4月5日 :琉球新報寄稿

s_oosirosensei 県内に定着し、広く普及する兆しのある微生物を活用する無農薬・有機農業については、拙著「これからの沖縄農業」と玉城朋彦・石川勇編「沖縄の有機農業2010」の現地レポートがある。

この新技術は、1980年代から本部町、うるま市、中城村、南風原町、豊見城市、糸満市などの先進的な農家が活用し、サヤインゲン、キャベツ、ナス、トマト、ラン、キク、タンカン、マンゴー、アセローラ、サツマイモ、サトウキビなど多くの種類の作物が栽培された。いずれの作物も増収や品質の向上が見られ、土壌も深くまで改良されるなど多くの成果が得られた。

技術開発の当初から現在まで20年以上も使い続けている事例としては、本部町で1ヘクタールのタンカン狩り農園を経営している新里久和氏、同じく本部町でアセローラの生産・加工・販売を組織的に取り組んでいる並里哲子氏、南風原町でカボチャやトマトなどを東京の大田市場にグループで出荷している比嘉信夫氏、南城市で800坪のビニールハウスでミディトマトを農場で直売している新里光勇氏らが紹介されている。

いずれの生産者も消費者から安心・安全でおいしいという喜びと感謝の声が届けられ、生産が間に合わないほど売れているので喜びを味わい農業に専念していることが報告されている。

この新技術による農業経営は、従来の化学肥料を利用する農業とは全く異なる新しい農業モデルである。

政治・行政など公的支援が欠落した中で、民間主導によって開発された技術が指導者や農家の創意・工夫によって実用化技術として現場に広く定着していることが分かる。

今後のさらなる普及を推進するためには多くの指導者や農業者を育成することが重要である。

私は無農薬・有機農業の実践講座を開設して継続的に支援したいと考えている。

(大城喜信(おおしろきしん)、農業コンサルタント)

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